演劇部 3
私が高校1年の終わり頃、2年生の男子M先輩と3年生の女子K先輩が付き合っていることを知った。それ位だったら普通なんだけど、なんと、K先輩が妊娠したってこと。
二人とも、真剣に結婚するつもりだったし、二人の両親とか、先生とかどうなったのか知らないけど、結局二人は高校を卒業して結婚した。
その後の二人には会ったことはないけれど、あの時の子どもが成人した頃、離婚したそうだ。K先輩は割と早く再婚したみたい。
昔から小悪魔的な美人だったからな。それに比べて、M先輩はどちらからと言うとあまり気が利くタイプではなかった。
私はと言えば、恋には程遠く、男っぽいと思われていて、女子に人気があった。
剣道部の主将には恋に破れ、次に好きになったのは、世界史の先生だった。
いや、世界史が好きだから、先生を好きになったのかも知れない。
この頃、子猫を拾った。川に捨ててあったのを小学生の子たちが拾って騒いでいた。
濡れそぼって、弱弱しかった。
私はその子猫を家に持ち帰り、ケーキの箱に入れておいた。しばらくして見ると、ふわふわの小さな子猫に変身していた。
その日はカボチャの煮つけだったので、それをやると食べていた。
母を説得して飼ってもいいと許して貰った。子猫の名前はルカとした。